BRAND DICTIONARY
永く愛される
好きと気づくのは一瞬でも。
愛着は、時間の中で育っていく。
「これ、いいな。」
「なんか、好きだな。」
ものとの出会いには、
そんなふうに、
心が動くことがあります。
色が好きだったり。
カタチに惹かれたり。
なんとなく、気になったり。
理由は、
うまく説明できないこともあります。
そして、
同じものを見ても、
好きになる人もいれば、
何とも思わない人もいます。
何を好きになるかは、
人それぞれです。
だから、
「永く愛されるものをつくります。」
とは、
簡単には言えません。
好きと愛着は、少し違う。
かっこいい。
かわいい。
新しい。
面白い。
そんな気持ちから、
ものを好きになることがあります。
でも、
好きになったからといって、
それをずっと使い続けるとは限りません。
最初は気に入って手にしたものが、
毎日の中で使われる。
一緒に出かける。
仕事をする。
何かを始める。
誰かと過ごす。
そうやって、
そのものと一緒に過ごした時間が、
少しずつ増えていきます。
傷がついたり。
少し古くなったり。
新しいものの方が、
便利になったり。
それでも、
なぜか手放せない。
そこにはもう、
最初に感じた「好き」だけではなく、
そのものと一緒に過ごした時間や、
思い出が重なっています。
愛着は、
つくった瞬間に完成するものではなく、
時間の中で育っていくものなのかもしれません。
ずっと残ることと、
永く愛されること。
ものが長く残っていれば、
それは、
永く愛されているのでしょうか。
たぶん、
それだけではありません。
役目を終えて、
もう使われていないものでも、
ふと思い出すことがあります。
「あれ、好きだったな。」
「あのデザイン、よかったな。」
反対に、
長くそこにあっても、
誰の記憶にも残らないものもあります。
ものとして残ること。
使い続けられること。
そして、
人の記憶に残ること。
どれも少しずつ違います。
だから「永く」という言葉も、
ただ年月の長さだけでは、
測れないのかもしれません。
心が動くものを、目指す。
誰かに、
「これを好きになってください。」
と言って、
好きになってもらうことはできません。
デザインも同じです。
どれだけ考えてつくっても、
誰かが好きになってくれるか。
永く使ってくれるか。
いつか愛着を持ってくれるか。
そこまで決めることはできません。
でも、
心が動くものをつくろうとすることはできます。
見た瞬間に、
少し気になる。
手に取ってみたくなる。
使ってみたくなる。
誰かに話したくなる。
そして、
その人の時間の中へ、
入っていく。
そこから先は、
つくり手だけのものではありません。
使う人との時間が始まります。
永く使うものには、
時間もデザインする。
強い印象が必要なデザインもあります。
一瞬で目を引くことが、
大切なものもあります。
一方で、
毎日見るもの。
何年も使うもの。
長い時間、
人のそばにいるものもあります。
必要な時間が違えば、
デザインのあり方も、
同じではありません。
最初の一瞬だけを考えるのではなく、
そのデザインが、
どのくらいの時間、
人と一緒にいるのか。
その時間まで想像して、
カタチを考える。
永く使われるものなら、
今日だけではなく、
その先の時間にも馴染んでいくものを目指したい。
愛されるかどうかは、
わからない。
それでも、
誰かの心に残るものを、
つくりたいと思います。
たくさんの人に、
同じように好かれるものではなくても。
誰かにとって、
「これ、好きなんですよね。」
と思えるものになったら。
そして、
何年も経ったあとに、
「いまだに使ってますよ。」
と笑って言ってもらえたら。
つくり手にとって、
こんなにうれしいことはありません。
ものが残る。
記憶に残る。
その人の時間の中に、
残っていく。
そんなデザインを、
サカナナは目指します。
心をつかむデザインは、イキている。
その鼓動が、
誰かの時間の中で、
永く続いていくように。